「平和安全法制」関連法が施行されました!
国際社会の平和と安定に貢献する「平和安全法制」の関連法が3月29日に施行されました。平和安全法制に対する国民の理解は着実に進んでいます。昨年9月の成立時は、世論調査の多くで「反対」が「賛成」を上回っていました。しかし、産経新聞社とFNNが3月19、20両日に実施した調査では、「必要」と考える人が57.4%に上り、「必要だと思わない」の35.1%を大きく上回りました。読売新聞社の調査も、「評価」は上昇傾向にあります。
のぶ子は、日ごろから駅頭などを利用して区政報告をさせて頂いているんですが、その際、「戦争法」廃止などと声高に国民の不安を煽るデマを言い続けている人たちと遭遇し、何故、事実を正しく伝えず国民の不安を煽る言動を続けるのか?いつも疑問に感じています。昨年9月30日、世田谷区議会でも、同様に議場で声高に「平和安全法制」の意義を曲解し、「戦争法」というレッテルを貼りその廃止を求める意見書を国に提出したいと主張する一部会派がありました。のぶ子は、公明党世田谷区議団を代表して、その意見書の提出に反対の立場から発言をさせて頂きました。また、皆さんもご存知のとおり、今年に入り、北朝鮮は、弾道ミサイルや核実験を繰り返し国際社会を挑発し続けています。国民の生命と財産、そして幸福追求の権利を守るために必要な「平和安全法制」の整備であったことを丁寧に説明する責任が政治家にはあります。この3月29日から「平和安全法制」関連法が施行となりましたが、のぶ子は、今後も、平和を守るために折あるごとに継続して区民の皆様へ説明を尽くして参りたいと思っています。下記に、昨年9月30日に公明党世田谷区議団を代表して発言した内容をご報告させて頂きますので、ご一読ください。
◆三十七番(岡本のぶ子 議員) 平和の党、公明党として、意見書提出に反対の立場から意見を申し述べます。
国民の命と安全を守るすき間のない安全保障体制をつくる平和安全法制の関連法が成立しました。国会の審議では、丁寧な国会運営を心がけ、衆院で百十六時間、参院でも百時間を超える質疑時間が確保されました。また、公明党は、昨年来の長い議論の積み重ねを経て、閣議決定と法案作成、そして国会審議に臨み、審議で議論の深まった点を野党と協議し、成立の段階で自公両党と野党三党による五党合意を得ることができたことは大きな成果と言えます。
まず、今回の平和安全法制成立に対する公明党への識者の評価をここで紹介させていただきます。
元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏は、公明党は、その人間主義と平和主義の価値観に基づいて、日本国憲法で認められる個別的自衛権の範囲を超えた、いわゆるフルスペックの集団的自衛権に反対している。だから公明党は信頼できる。政策研究大学院大学学長の白石隆氏は、各国で政策立案に携わる実務家たちと話をすると、日本がナショナリズムに強く振れることは決して望んでいない。そうした中で、公明党が与党にいて法整備にかかわっていることは、彼らに安心感を与えている。大阪大学大学院教授の坂元一哉氏は、公明党は新三要件の歯どめをかけた経緯などから、責任ある平和の党として真価を発揮したと感じている。公明党の奮闘により、戦後培った平和主義の理念は少しも変わっていないと。
次に、なぜ今法整備が必要なのかについて申し上げます。
民主党政権時に防衛大臣を務めた森本敏氏も、二〇〇六年ごろから東アジアにおける構造的な変化が起きているとの指摘をされています。このたびの平和安全法制は、厳しさを増す現在の安全保障環境の中で外交努力を尽くすことを大前提に、憲法の枠内でどこまで自衛の措置が可能なのか、そこから出発した議論でした。
我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しています。北朝鮮の弾道ミサイル関連技術は飛躍的に進化し、中国の軍備増強と海洋進出も活発化しています。こうした中、我が国は、日米防衛協力体制の信頼性を強化し、抑止力を向上させて紛争を未然に防止し、あらゆる事態を想定した切れ目のない体制整備によって、国民の命と平和な暮らしを守っていくことが求められています。今回の法制の目的は、まさにそこにあります。この法制は戦争を起こさせない戦争防止法です。
すき間のない防衛体制を築いていくために、日本への武力攻撃が発生した場合だけでなく、日本と密接な関係にある他国に対する攻撃でも、これにより日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆されるような明白な危険がある場合であり、かつほかに適当な手段がない場合だけに限って、必要最小限度の武力行使ができるというのが存立危機事態における武力行使です。
平和安全法制には、自衛隊の活動を通じて国際社会に貢献していくことも盛り込まれました。国際社会と協力しながら、日本周辺、そして世界の緊張緩和に向けて各国とともに協力して努力していく。世界の平和の実現なしに日本の平和や安全はあり得ません。自衛隊の海外派遣が無制限に広がらないように、特に国際平和支援法には、公明党の主張で自衛隊の海外派遣の三原則として、国際法上の正当性の確保、国会の関与など民主的統制、自衛隊員の安全確保が盛り込まれました。また、自公の両党と野党三党との協議が行われ、存立危機事態に該当するが、武力攻撃事態等に該当しない防衛出動は、例外なく国会の事前承認を求めること、法制に基づく自衛隊の活動を百八十日ごとに国会に報告すること、また、自衛隊の活動を監視、検証する組織のあり方を引き続き検討することなど、与野党五党の合意により、国民の代表である国会の関与を強め、国会による民主的統制を強化できたことは大変に大きな意義があると評価いたします。
このたびの平和安全法制によって、安全保障上の備えを強化していくとともに、これを外交の推進力の裏づけとして、平和外交をこれまで以上に推し進めていくことが重要です。
次に、今回の法案が集団的自衛権の行使に当たり違憲ではとの反論について申し上げます。
この法案が憲法に合致しているかどうか大きな論争になりました。七月十一日付の朝日新聞電子版によると、「ジュリスト」法律専門誌の判例百選に執筆している憲法学者にアンケートをとったところ、百二十二人が回答し、そのうち七十七人の学者は、自衛隊が憲法違反ないしは憲法違反の可能性があると回答しています。実に六三%に達しているのです。この状況の中では、この法案が憲法に合致しているかどうかを議論するまでもなく、その前提が憲法学者と政府とは大きく違っていることがわかります。
これまでの政府の憲法の考え方について、今国会において横畠内閣法制局長官は、憲法の平和主義を定めた九条は、戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認を掲げているため、およそ国際関係において一切の武力行使を禁じているかのように見える。しかし、外国の武力攻撃によって日本の存立が脅かされ、国民の命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという極限的な場合には、国と国民を守るためのやむを得ない必要最小限度の武力行使をすることまで禁じているとは解釈できない。これがこれまでの政府の憲法九条解釈の基本的論理である。これに対し、いかなる場合も武力行使は許されず、外国の武力攻撃に対して必要な対処をせず、国民に犠牲を強いることもやむを得ないとする考え方もある。しかし、国民の平和的生存権を明らかにした憲法前文、国民の幸福追求の権利を保障した憲法十三条に照らしても、国民の安全を確保する責務を持つ政府としては、到底とり得ない解釈であると述べています。
昨年の閣議決定では、公明党の主張により、憲法九条を堅持し、自国防衛のための措置にとどめることを明確にするために、自衛の措置の新三要件を定めました。この新三要件は、憲法九条のもとでも例外的に武力の行使が許されるとした理由や根拠である一九七二年の政府見解の基本的な論理を維持したものです。今回の法制においても、公明党の主張で新三要件が過不足なく全て法律上に盛り込まれています。あくまで自国防衛のために、他に適当な手段がない場合に限って必要最小限の実力行使をするものであり、他国防衛の集団的自衛権の行使は認めていません。憲法九条のもとで許される専守防衛の原理の中に完全に入っており、違憲立法との批判は全く当たりません。
最後に、安全保障と外交を車の両輪として、我が国及び国際社会の平和と安全を守るため、国会もまた政府とともに不断の努力を尽くす責任を負っていることを強く求めてまいりたいと思います。
さらに、公明党世田谷区議団として、今後も海外姉妹都市交流を初めとした草の根レベルの平和民間交流を活発化させるとともに、子どもたちへの平和教育を推進し、揺るぎない平和社会の建設のために全力で働いていくことを申し添え、平和の党、公明党の反対意見といたします。(拍手)