「乳幼児短期緊急里親制度」の創設記事が公明新聞(6/5)付に掲載されました。
一時保護の乳幼児を養育

全国初の「短期緊急制度」を創設/東京・世田谷区
2025/06/05 6面
■預かる里親が常に待機
親の産後うつの療養などを理由に一時保護される乳幼児がいる。東京都世田谷区は今年度、一時保護された乳幼児の健やかな成育を妨げないために、家庭環境に近い里親による預かりを増やせるよう、里親が常に待機する「乳幼児短期緊急里親制度」を創設した。同様の制度を自治体だけで実施するのは全国初の試み。
■健やかな成育、愛着形成をサポート
里親が養育環境を整えて常に待機する世田谷区の「乳幼児短期緊急里親制度」は、原則2カ月までの短期間で預かる。区内で登録する里親66件(2023年度末現在)のうち、里子のいない4家庭が常に待機し、待機料として月10万円を受け取る。預かり期間は、乳幼児の親の療養状態や実情に応じて「延長するなど柔軟に対応したい」(区の担当者)という。
乳幼児期は人間関係の基礎となる「愛着形成」において重要な期間であるため、保護児は養育環境が整っている里親に預けられることが推奨されている。世田谷区で23年度に保護された乳幼児15人のうち、里親に預けられたのは1人のみ。それ以外は乳児院や病院へ引き渡されていた。里親による乳幼児の預かりが伸び悩む要因として、里親の仕事の調整が難しいことや、安全な養育環境の確保が求められることなどが挙げられている。
公明党の岡本宣子区議は、18年9月の区議会決算特別委員会で訴えて以来、乳幼児の里親養育の推進を重ねて求めてきた。区の制度開始を受け、都議会公明党のたかく則男議員(都議選予定候補=世田谷区)は、都内全域での実施に向けて都当局に働きかけている。さらに、公明党の竹谷とし子代表代行が、今年3月13日の参院内閣委員会で世田谷区の制度を紹介し、国として乳幼児の里親預かりを促進するよう訴えた。
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岡本区議と竹谷代表代行は先日、区内で里子を育てているホッブス美香さんと懇談した。ホッブスさんは、これまで乳幼児の里子と里親のマッチングがうまくいかなかった課題を同制度で克服できると指摘。「子どもたちには信頼できる大人が一人でもいることが重要。制度を通して里親への預かりが増えてほしい」と訴えていた。
懇談に同席した国際人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」の土井香苗・日本代表は、子どもの権利として家庭で育つことの重要性を語った上で「特に赤ちゃんは愛着形成のためにも里親での養育が必要だ」と強調。公明党が粘り強く議論をリードしてきたと評価し、「全国へ広げてほしい」と期待を寄せた。(公明新聞記事より転写)
下記は、懇談の模様

