視覚障害者のマラソン伴走
のぶ子は、4/28に開催されたNPO法人世田谷区視覚障害者福祉協議会主催の第1回おもいやりサロンで、いつも親しくさせて頂いている茅野さんが「視覚障害者のマラソン伴走」をテーマにした講演をされると伺い聴講させて頂きました。
茅野さんは、聴覚に障害を持たれながらも、これまで200以上のフルマラソンを完走し、丁度この4月も韓国の光州市で行われた国際マラソンを4時間19分09秒で完走されたばかり。
講演の中で、これまで愛用されてきたマラソンシューズ(君原選手の”ゴール無限"サイン入り)や、視覚障害者の伴走時に使うロープの輪などを紹介して下さり、参加された視覚障害者の皆さんが、直に触れて持って、その重さなどを体感する場面もあり、シューズの軽さとホノルルマラソンの参加メダルの重さにびっくり!
講演の後半は、視覚障害者の「同行援護」がテーマに。
昨年8月15日、世田谷区在住の視覚障害者が、通勤途上に地下鉄銀座線の青山一丁目のホームで盲導犬と一緒に電車を待っていたところ、反対側のホームに入って来た電車の音をご自分が乗る側の電車の音と思われ、電車に乗り込もうとしてホームへ転落し死亡された痛ましい事故でした。
実は、この方は、事故が発生する半年前に北海道から世田谷区に転居されたばかりで、講師の茅野さんが、緊急介護人のボランティアとして日常生活でのお困り事の一つである銭湯への行き方・入り方等を介助された矢先の事故だったそうです。茅野さんは、二度とこのような痛ましい事故が起きないよう、当時、すぐに世田谷区長へ手紙を送ったこと。更に、のぶ子へもその思いを伝えてくださり、のぶ子は、昨年9月の世田谷区議会で質問に立ち、区に迅速な対策を要望。
この4月1日から、世田谷区として視覚障害者の通勤時移動支援サービス拡充(期間限定)に繋がったことなどを切々と語ってくださいました。
更に、フリートークでは、参加されていた当事者の方々からの貴重なご意見がありましたので、ご紹介させて頂きますね。
●盲導犬と視覚障害者の方への対応としてのお願い:盲導犬にハーネス(盲導犬に装着する持ち手)が付いていたら、盲導犬は仕事中なので、盲導犬には声を掛けないでそっとしておいてくださいね。ハーネスを外しているときは、頭を撫でてあげたり、声を掛けても大丈夫です。
●駅のホームや横断歩道などで視覚障害者へ声かけする際のお願い:電車や自動車などを安全な場所で待てるよう、積極的に声を掛けてくださいね。但し、急に「危ない!」と言われても残念ながら誰に対して言っているのかわかりません。「白杖を持っている方」「盲導犬を連れている方」と前に主語をつけて、なるべく早めに声をかけて危険が回避できるようサポートして頂けると助かります。
また、こんなご意見も。
●何故、駅のホームの点字ブロックはホームの端に有るのか、地下鉄などはホームに柱があり、ホームの端を歩くのはとても怖い。国土交通省のガイドラインは、視覚障害者の声をきちんと反映しているとは言い難い。など。
貴重なご意見を沢山頂きました。
ユニバーサルデザイン推進条例がある世田谷区として「誰もが安心して自由に移動できるまちづくり」を目指して、当事者の方々の声をしっかり受け止めながら、更にスピードアップして改善が進むよう取り組んで行くことを誓った第1回おもいやりサロンとなりました。
関係者の皆さまありがとうございました!